工学と医科学の融合分野における健康長寿の社会的ニーズの実現と地域振興に基づいて、ユビキタス環境の実現に貢献していくことを目指すため、社会情勢や健康長寿の社会的ニーズを的確に把握し、それを工学シーズと融合させることができる高度で知的な素養を備え、多様に変化する社会において柔軟に活躍できる高度専門技術者、及び工学と医科学の融合分野において世界で活躍できる創造性の豊かな研究能力の基盤を備えた研究者を養成する。
上記の教育理念に基づき、システム生体工学専攻では、生体情報計測システム分野、生体機能制御システム分野、システム神経工学分野を3つの柱として、健康長寿社会の実現に向けて、医療や福祉に関わる工学の融合分野における幅広くかつ高度で最先端の理論とその応用力並びに実践力を習得させるとともに、各専門の分野から生まれた最先端の成果を活用して、疾病の予防や根本的な健康回復、障害者?高齢者の心身の自立、介護者の負担軽減のための福祉の向上、並びに生体情報を安全に正確にかつ高速に活用するためのシステム構築ができるようにする。そして、健康長寿社会のためのニーズの実現と地域社会の振興に基づいて、ユビキタス環境の実現に貢献する。
システム生体工学専攻では、下記の力を身につけさせることを目標とする。
a 高度で専門的な知識を実際に応用できる力
b 課題を論理的に説明できる論理的思考力、情報収集力、批判力、表現力、コミュニケーション力
c 各種システムの設計と開発力、課題に対する新鮮な発想力、問題解決力
前記の教育目的と教育目標を達成するために、以下のカリキュラムを配置し、年次に従って実施する。
(1)本専攻の3つの専門分野では、システム生体工学の教育研究をカバーし、医工学の立場から、来る
べきユビキタス環境に貢献できる専攻開設科目を配置している。各科目はそれぞれの分野全体を
体系的にカバーしていると同時に、3つの分野は基礎の部分で部分的に重なりつつ、相互に密接な
関係にある。したがって最先端だけでなく、周辺を含む基礎も学べる。
(2)専門分野で学習する高度で専門的な知識を実際に応用して実践できる力を身につけさせるため、1
年次にプロジェクトI及びII、2年次にプロジェクトIII及びIV、さらにインターンシップ、特別研
究を配置している。
(3)プロジェクトI~IV及びインターンシップでは、課題を通して論理的思考力、情報収集力、批判
力、思考力、表現力、コミュニケーション力などを修得できる。
(4)プロジェクトI~IV及び特別研究では、システムの設計と開発力や間題解決力などを修得する
とともに、倫理や法規制など、幅広い社会科学的分野の知識を学習し、設計や開発に反映させ
る。最終段階では、専門的知識と幅広い視野を自ら学習する力、及び自立した研究者や技術者
として必要な能力と技法を体系的に修得できる。また特別研究では、本専攻の研究分野におけ
る課題を主体的に発掘させ、研究目標の設定から効率的な解決プロセス並びにブレークスルー
すべき困難な課題などを明確にし、そのための斬新なアイデアを醸成する体験や研究を実践する。