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マルチビームアンテナを用いた複数のデバイスとの間でのテラヘルツ帯による同時送受信に成功 ~Beyond 5G/6Gで求められる超高速?大容量通信の実現に向けて~

カテゴリ:プレスリリース|2023年05月23日掲載


株式会社KDDI総合研究所
国立大学法人名古屋工業大学

 株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下「KDDI総合研究所」)と国立大学法人名古屋工業大学(愛知県名古屋市昭和区、学長:木下 隆利、以下「名古屋工業大学」)は、テラヘルツ帯の送受信機(注1)とマルチビームレンズアンテナ(注2)を組み合わせた仮想化端末ハードウェア実証システム(図1、以下「本実証システム」)を開発し、送信機と2つの受信機との間で同時に、広帯域なデジタル信号を送受信することに成功しました。
 両者は、スマートフォンなどのユーザーの端末が身の回りのさまざまなデバイスとテラヘルツ帯で協調し、各デバイスに搭載されたアンテナを仮想的に束ねて一つの端末として動作する「仮想化端末」(注3)を提案しています。
 今回の成果は「仮想化端末」の可能性を高めるものであり、Beyond 5G/6Gで求められる超高速?大容量通信の実現が期待されます。

 なお本件を、2023年5月24日~26日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「ワイヤレスジャパン 2023×ワイヤレス?テクノロジー?パーク 2023」のKDDI総合研究所ブースで紹介します。

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1:テラヘルツ帯 仮想化端末ハードウェア実証システム

背景

 Beyond 5G/6Gでは5G100倍の超高速?大容量通信を実現するために、広い周波数帯域を使えるテラヘルツ帯の活用に関する研究開発が始まっています。KDDI総合研究所と名古屋工業大学は、両者が提案する仮想化端末に関連し、20225月にテラヘルツ帯(300GHz帯)でビーム方向を変更可能なマルチビームレンズアンテナの開発に成功しました。仮想化端末の実現に向けては、ユーザーの端末と複数の周辺デバイスとの間を超広帯域のテラヘルツ帯無線でつなぐ必要がありました。

今回の成果

 このたび、KDDI総合研究所と名古屋工業大学大学院工学研究科 榊原久二男教授、杉本 義喜助教らの研究グループは、テラヘルツ帯(300GHz帯)で広帯域信号を無線伝送する2組の送受信機と、ビーム方向を変更可能なマルチビームレンズアンテナとを組み合わせた、仮想化端末ハードウェア実証システムを開発しました。本実証システムでは、2台の送信機から入力された信号を1台の送信アンテナから異なる2方向へ向かうビームで送信し、それぞれの信号を2台の受信機で受信することで(図2)4.8GHz帯域幅のQPSKデジタル変調信号(注4)を2信号同時に伝送可能としました。マルチビームレンズアンテナは、60度の角度(アンテナ正面を0度とし、プラスマイナス30度)でビーム方向を変更できます。送信側と受信側の双方でビームを向かい合わせることで、QPSKデジタル変調信号の伝送に要求される伝送品質を達成しました。
 また、受信機の位置や向きが変わった場合でも送信側、受信側それぞれのアンテナで適切なビームへ切り替えることで信号の伝送品質を維持できることを確認しました(図3)

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2:送受信ビームイメージ

 

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図3:ビーム変更による伝送品質の維持

今後の展望

 KDDI総合研究所と名古屋工業大学は、今後も送受信機の小型?軽量化や、さらに広い角度にビーム方向を変更可能なアンテナの開発を進めると共に、開発した送受信機やアンテナを用いて、仮想化端末(図4)の実現に向けてテラヘルツ帯を利用した実証実験を継続していきます。

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図4:「仮想化端末」コンセプトイメージ

 

 なお、今回の研究成果は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))の委託研究(採択番号00401)により得られたものです。

<KDDI総合研究所の取り組み>
KDDIとKDDI総合研究所は、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate5.0」を策定し、その具体化に向け、イノベーションを生むためのエコシステムの醸成に必要と考えられる「将来像」と「テクノロジー」の両面についてBeyond 5G/6Gホワイトペーパーにまとめました。両社は新たなライフスタイルの実現を目指し、7つのテクノロジーと、それらが密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進します。
今回の成果は7つのテクノロジーの中の「ネットワーク」に該当します。

<名古屋工業大学の取り組み>
名古屋工業大学は、単なる技術開発ではなく将来像や理想の社会などを対話によって構築するコミュニケーションとしての工学の在り方を「心で工学」として追究します。ステークホルダーに寄り添い、客観的?俯瞰的な視点とさまざまな人々との対話によって新たな社会基盤を創出する技術者をさまざまな側面から育成し、また、地域産業界を牽引して「中京地域産業界との共創」による技術開発、課題解決を進めるため、世界レベルの先端研究をグローバルかつ多様な連携に基づいて推進しています。

用語説明

(注1) テラヘルツ帯での広帯域信号伝送に対応した送受信機は、株式会社 日立国際電気より提供

(注2) 「Beyond 5G/6G時代に向けたテラヘルツ帯マルチビームアンテナの開発に成功 ~超高速?大容量通信の実現を目指して~」(2022年5月24日 プレスリリース)
https://www.kddi-research.jp/newsrelease/2022/052401.html

(注3) Beyond 5G/6Gホワイトペーパー2.0.1版(2021年10月22日公開)内、5.4.1.4節

(注4) QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)とはデジタル変調方式の一つで、90度ずつ位相のずれた4つの信号が用いられる。QPSK変調方式に求められる伝送品質:EVM(Error Vector Magnitude) が17.5%以下

お問い合わせ先

研究に関すること

名古屋工業大学大学院工学研究科 工学専攻(電気?機械工学領域)
教授 榊原 久二男
TEL:052-735-5416
E-mail:sakakibara.kunio[at]nitech.ac.jp

広報に関すること

株式会社KDDI総合研究所 企画部門 広報グループ
お問合せメールフォーム:https://www.kddi-research.jp/inquiry.html

名古屋工業大学 企画広報課
TEL:052-735-5647       
Email:pr[at]adm.nitech.ac.jp

*それぞれ[at]を@に置換してください。


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